斜里町の土づくり

親から子へつづく
「土づくり」斜里町では土づくりを3つの柱で考えています。

土壌分析・施肥設計

斜里町内には約一万haの畑地・牧草地があり、そのひとつひとつの畑によって畑の持っている養分が異なり、栽培する作物によって必要な養分も違います。

「土壌分析」と言うと難しく感じるかも知れませんが、土壌分析はよく人間の健康診断に例えられます。健康診断は身長・体重・血圧の測定や心電図検査などによって健康状態を調べますが、土壌分析室では専用の分析機器を使用し、土のpHやリン酸、カリの含有量などの化学性を分析することによって、ひとつひとつの畑に合った施肥設計をしております。

肥料不足を防ぎ作物が順調に育つように、肥料の過剰による品質の低下や環境問題の発生を避けるために最適な施肥量をアドバイスしております。

堆肥・緑肥の投入

おいしい農作物は化学肥料だけではとれません。牛など家畜のフンを堆肥化し畑に還元することで土を豊かにし化学肥料の低減につなげております。

町内では大半の組合員が畑作の専業農家であるため充分な堆肥が確保できませんが、「緑肥」を栽培しております。
緑肥とは畑にすき込むためだけに栽培する作物で、斜里町ではエン麦というイネ科の緑肥が主流ですが、1,000㎡あたりわずか10kg程度の種をまき2~3カ月経つとなんと2,500kg~4,000kgに生長し、そのまま畑にすき込みます。
すき込まれた畑に入ると土がふわふわと柔らかくなり、光合成され養分をたくさん貯めたエン麦が次の作物の栄養源となるのです。

堆肥散布の様子

  • 畑のわきに仮置きされた
    堆肥(牛のフンです)

  • タイヤショベルでマニュアスプレッダー(堆肥散布機)に積み込みします。

  • タイヤショベルで3回程度 積み込むと満載になります。

  • 畑に堆肥を散布しています。堆肥は5~6m程度の幅で飛び散り、1,000㎡あたり3t~5t散布します。

  • 散布を終了した状況

斜里町で多く播かれている
緑肥3種類

  • えん麦野生種
    イネに似た作物で斜里町内での多くは秋まき小麦を収穫した後の8月中旬に播かれ10月末頃に鋤き込まれます。
  • 緑肥用ひまわり
    花が満開に咲いて非常にきれいです
  • キカラシ(菜の花の仲間です)
    菜の花に似た黄色い花が咲きます。

土地改良の実施

肥料も入れた!緑肥も栽培して準備も終了!さあ作物をまくぞ!!と意気込んでも、大量の雨が降って畑に水が溜まっていては農作業ができません。
水はけの悪い畑に排水路を設ける明渠、地下に排水路を設ける暗渠などの工事をして水はけを良くします。
反対に乾燥しやすい畑には水をまくための用水路や散布で乾燥を防ぎます。

暗渠工事

  • 排水性が悪く、
    表面に水が溜っています。

  • 水はけの悪い畑を90cm掘ってパイプを布設する溝をつくります。

  • 堀取り完了!
    きれいに掘れました。これから溝の左に見える「暗渠パイプ」を布設します。

  • 手作業による暗渠パイプ布設作業です。

  • 暗渠パイプ設置完成。

  • 溝を埋めるための「火山れき(水はけを良くする大粒の軽石)」を積み込みます。

  • キャリヤダンプによって火山れきを投入し、暗渠パイプを埋めています。(約60cm)

  • 火山れきをならしています。

  • ブルドーザーにより、心土と表土を分けて埋め戻します。

  • 暗渠パイプ(落口)が崩れないよう、芝を積んで工事終了です!

  • 暗渠パイプ(落口)の拡大です。水が流れています。